ゼリー飲料 多様化進み活性化

大塚製薬 新機軸に挑戦

スパウト付パウチのゼリー飲料市場が活性化している。トップブランドである「ウイダーinゼリー」(森永製菓)の好調と商品の多様化が主因。富士経済の調べでは、スパウト付パウチや缶容器を含めた15年ゼリー飲料市場は前年比4・7%増の535億円の見込み、今年は2・4%増の548億円と予想する。梅雨明けから最需要期に突入し好天に恵まれればさらに勢いが増す可能性もある。
ゼリー飲料は、飲むときの体調や環境に左右されにくい点からニーズが広がり通年で伸長傾向にある。これには中味の多様化が寄与。従来は、糖質中心のエネルギー補給商品やビタミンなどの単一栄養素補給商品で主に構成されていたが、プロテインや複数の栄養素を訴求する商品が増えつつある。

パウチ独特の容器特性にも注目が集まりつつある。パウチはPETや缶と比べると市場規模はまだ小さいが、再栓して持ち運びできるほか飲用後に小さく畳めるのが特長。特に後者については、省スペース化のトレンドにも合致し他の容器にはない差別化ポイントとなっている。

こうした中、「ウイダーinゼリー」は昨年、各アイテムで栄養機能性を明確にして目的別に訴求強化を図るデザインに刷新するなどして中味を分かりやすく伝えたところ15年暦年で15%程度伸長したと推定。その勢いは今年も続き4-5月で30%増となり、この中で伸長著しい「プロテイン」は50%増になったという。同商品は、ヨーグルト味で、ホエイペプチド5千mg、クエン酸1千g、7種類のビタミン配合している。

今年、水分補給と栄養バランスという切り口でゼリー飲料に本腰を入れたのは大塚製薬。前者の切り口で開発された「ポカリスエット ゼリー」は、液体での水分補給が難しいとされる運動前やコンサート開始前などトイレを気にして飲用を控えるシーンなどに好適。後者の切り口では「カロリーメイトゼリー」3品を新発売した。同商品の最大の特長は、ビタミン・ミネラル・タンパク質・脂質・糖質の5大栄養素をバランス良く手軽に補給できる点にある。

同社は「身体に必要な栄養をバランスよく摂りたいという満たされないニーズに着目」(仲尾綾ニュートラシューティカルズ事業部製品部カロリーメイトプロダクトマーケティングマネージャー)。ゼリー飲料の喫食シーンに関する同社調べでは、喫食シーンに食欲がない時(39・7%)、風邪をひいた時(30・6%)、疲れた時(20・6%)など栄養補給の必然性が高いシーンが上がり、市場を席巻している糖質中心のエネルギー補給商品やビタミンなど単一栄養素補給商品では取り切れないニーズがあると判断した。
コカ・コーラシステムは「ミニッツメイド」ブランドでゼリー飲料を展開し「ぷるんぷるんQoo(クー)」が成長を牽引。同商品は、スーパーを中心に、“子どもがよろこぶ”飲料として支持され、15年には過去最大の販売量を記録し今年1-4月も20%増の販売数量を達成したという。

明治の「即攻元気 アミノ酸&ローヤルゼリー」は、エナジードリンクと小腹満たしの2つのニーズを満たす独自のポジションが支持され前期(3月期)はブランド計で10%程度伸長し4月も2ケタ増となった。

スポーツに意識高く取り組みアミノ酸の効果をしっかり実感してもらえる人を対象にして続伸しているのは味の素社の「アミノバイタル」ゼリーシリーズ。15年は10%以上の伸びとなり、16年上期も引き続き好調に推移している。

ハウスウェルネスフーズは、忙しい朝に好適な商品としてレモンヨーグルト風味のパウチゼリー「C1000 レモンの朝」を3月7日に新発売。小腹満たしのニーズを更にクローズアップさせシーンを具体的に訴求したことが奏功して出足は上々。CVSを中心に導入が進んでいる。

同時期に新発売されたポッカサッポロフード&ビバレッジの「キレートレモン 朝バランスゼリー」もDgSで販売好調だという。(1日付3面に関連記事)